基本的な飼育方法(幼虫編)


ココでは、産卵セットから割り出したり、オフシーズンに購入した幼虫の飼育・管理について、簡単に説明します。

まず。飼育方法には代表的に以下3つあります。

 ・菌糸ビン飼育
 ・発酵マット飼育
 ・材飼育

この章では、代表的で、管理人もやっている上2つ、菌糸ビン、発酵マット飼育について説明していこうと思います。

一般に、幼虫飼育に移す、特に菌糸ビン飼育に移す場合は、幼虫が二令幼虫(孵化したばかりを初令、一回脱皮したものを二令、二回脱皮した最終段階を三令または終令幼虫といいます)になってからにすることをオススメします。

菌糸ビン飼育

菌糸ビン飼育は、多くのクワガタ(上級者向けクラスには、合わない種類もいます)が大型になり、且つ簡単な方法です。
まず、予備知識として、軽く菌糸ビンについて触れておきます。
自然界で、クワガタの幼虫は白く腐敗した朽木の中で成長していきます。幼虫は白く腐食した、つまりカワラタケという種類などののキノコの菌で腐食して、栄養価の高まった木を食します。菌糸ビンとは、この白く腐食した木を人工的につくっちまおう!というものです。実際、結構良質のナラ、クヌギのおがくずに菌糸を混ぜ、作ったものが多く、かなり大きく成長するのです。
まぁ、予備知識はここら辺で終わりにしまして、飼育方法について説明していきましょう。

菌糸ビンの入手方法は、実際に専門店に行って、店員に聞いたり、自分で見て選びます。種類にもよりますが、全体が真っ白すぎず、また薄すぎず(微妙ですがww)のモノを選ぶことをオススメします。

購入してきた菌糸ビンは大抵ビンの上のほうまで詰まっていて、キノコが生えていたり、真っ白くなっていると思います。まず、それを少し下まで(ビンの形状がフタの部分でくびれているものは、そのくびれまで)の菌糸マットを取り除きます。次に、幼虫を挿入する穴を少し空けます。そうしたら、あとはその穴に幼虫を入れてやれば、少しすると勝手に潜って行ってくれます。

発酵マット飼育

菌糸ビンに並んでポピュラーな幼虫飼育法の一つです。これは、産卵セットでも使った、発酵マット、完熟発酵マットをコーヒービンなどの空き瓶(800cc〜1000ccは欲しいですね)に固く敷き詰めて飼育するものです。この飼育法は、菌糸ビンほどではありませんが、例外なくほとんどの種類のクワガタでその種の中では大きい個体が出来る方法です。中には、菌糸ビンでは飼育できず、発酵マットでしか飼育できない種類や、発酵マットのほうが大きく育つ種類も存在します。方法はまたもや握りこぶしの法則に従い、マットを湿らせ、ビンにしっかりと固く詰め込み、中に幼虫を投入するだけです。下でも説明しますが、この方法はエサの交換時期を見極めるのはなれないと難しいし、結構コストのかかる方法なので、特別理由のない限り、菌糸ビン飼育をオススメします。また、発酵マットは自家製を作成することが出来るのですが、まだ管理人、経験不足、情報不足のためコラムを立てることが出来ません。ですが、なるべく早めに立てられるよう努力しますので、気長にお待ちくださるようお願いします。

えさの交換について

幼虫は通常一本のビンでは成虫になることは出来ません。なれたとしても、非常に小さな固体しか期待できませんし、最悪の場合死んでしまいます。ですので、エサを交換する必要性があります。
菌糸ビンの場合、エサの交換時期を考えるのが非常に楽です。一般に発酵マットでも菌糸ビンでもは、2ヶ月ほどほっといてもいいのですが、菌糸ビンの場合、幼虫の食べた部分は茶色になり、大抵は菌はもう回らなくなるので、一目で分かるようになります。このサイトは写真が少ないので(本当にごめんなさい!!)アレですが、それでも一目で分かります。その、茶色い部分がビンの7〜8割になったら交換時期です。発酵マットの場合は2〜3ヶ月を目安に交換してください。だいたい普通の種類の普通の個体で3回ほどの交換で済みます。ですが、えさの交換については注意しなければならないことがあります。それは、春が近づいてくると、幼虫は成虫になるために蛹室という部屋をつくり、その中で動かなくなります。そして前蛹期に入り、蛹室作成から約1ヶ月くらいすると蛹になります。そして蛹になってからまた1ヶ月で成虫に、さらに1ヶ月間体(外骨格という外皮や腹の部分)を乾かします。その間は絶対安静にしなくてはならないので、もちろんのことエサの交換はしてはいけません。ですから、注意としては・・・
 ・幼虫が動かなくなり始めたり、表面に他の部分とは違う黒い部分が出来たり、空洞が見えて中で幼虫が動かなくなってきたら、エサ交換は言うまでもなく、あまり触らないようにする
コトです。



さぁ、蛹室作成から約3ヶ月。成虫も大体乾いたように見えたら、取り出して成虫飼育に移しましょう。もうココまできたらあとは、慎重に蛹室までビンの中身を取り出して、成虫を取り出すだけです。ですが、ここで乾燥が不十分だったりすると、成虫の背中の辺りが赤茶色っぽい色をしています。したら、しっかり乾くまで待ってあげましょう。そのままほうっておいて大丈夫です。

ここで一つ注意ですが、蛹から成虫になるときに、蛹室が小さすぎたり、湿気が多すぎたりなどの理由で、しっかり羽化できないこと(羽化不全という)があります。そのようになってしまっても、大抵の場合は普通に生活することは出来ますので、死ぬまでしっかり可愛がってあげましょう。